西門慶二の競馬日記

馬が走っているギャンブルなのだから、馬と馬の関係を理解すれば馬券は当たる! このブログは「馬関係」からでも競馬予想はできる、ということを証明するためのものです。牝馬が絡んだ同路線組に注目した、いわゆる「特殊馬関係」としてのキング&クイーンの法則から、より広く「馬関係」を捉えるための新一般馬関係理論へ! 誰も手をつけなかったまったく新しい領域、まったく新しい方法論によって競馬に挑む。それが西門慶二の競馬理論です!

松の内競馬【回顧】とこらからの研究について(長い考察)

日曜日はJRAに坊主を喰らってしまった。ひ〜、とばかりいってられないので、ちゃんとこれから闘えるような書き込みをしよう。それにしても毎年、毎年、手強い…。
まず、「K&Qの法則」の(機械的)手順の「牝馬が絡んだ同路線グループの中で他の牡馬に最先着している牡馬を軸馬候補(キング)に指名する」というのがある。これは便宜上にしろ、「メソッド」の「序列」という考え方を採用しているということでもある。
機械的に買う、という点が馬券を当てるコツで、これで(信じていれば)何度も大きいのを獲ってきたのだが、同時にまたこの「着順」によって「序列」を想定する、というやり方は理論的には大きな弱点でもあった。JRA総合研究所の百瀬良博士によれば「馬は順位制社会を形成する、それは事実だが、それが競馬にどのような影響を与えているかは確認されていない」ということになる。確認とは、学術論文に準じるように数量的なデータをしっかり取った上で、というアカデミックな掟を指す。
さて、「着順」によって「序列」を想定する、この方法の弱点は「着差なしの順位」が序列と関係しているのだろうか、という疑問が生じることに端的に現れている。
1/6の京都10R《新春S》を例に考えてみよう。
これは強すぎる「遅れてきた大物」が文字通り強すぎたわけで、こんなレースはやってはいけない、という見本のような決着だったのだが(結局、どのレースを選ぶか、そして実際に予想し買うかに競馬の勝利はかかっているのだ)。
京都10R《新春S》の「うまカンケイ」は以下の通りである。
六甲アイランドS》組
10)エネルマオー(4着)vs6)シルクドラグーン(5着)※着差なし、キング確定問題
3)タッチザピーク(Q)
奥多摩S》組
2)メジロシリング(D)
16)レヴリ(d)
「着差なしの順位」が序列と関係しているのだろうか、については「キング確定問題」といういい方で担保していたのだが…これまではどちらかを選ぶ、馬券的にはどちらも買う、ということになる。実際は両方買うわけにはなかなかいかない。が、結果的には「遅れてきた大物」を一頭軸として、6&10にブリッジさせれば15万円馬券は目の前だったのだが…。
私が予想したのは、同伴馬メジロシリングの激走であった。ただ、ゲートであおって大敗。形式的(馬と馬の関係)には、メジロシリングは《六甲アイランドS》で負けているので、同伴馬の激アツにハマっていたが、あまりにも負け過ぎという点から何か状態に問題を抱えていたのだろう。
でも、まあこれも結果論である。重要なのは、事前に事態を把握すること、また1点買いではないので、危機回避する方法を模索することである。
ここから、これから闘っていく上で大切なことに触れる。
キング確定問題がある以上、エネルマオーvsシルクドラグーンのどちらかを選ぶ、これが基本だ。あるいはクイーンを軸にすればもの凄い馬券が獲れていたケースも数えきれないくらいある。しかし、クイーンの走りはちょっとつかみきれない(なぜなら他の牝馬との関係が大きく影響してくるからである)。
ここでの解決法は、年上の牝馬が指導権を持つと考えて、その牝馬を移行を他の牝馬が汲み取って、レース中でどの牡馬に頼って走るのかを考えることである。タッチザピークは5歳と若い、点がネックになる。しかし、他には「うまカンケイ」がないので、このケースでは、エネルマオーvsシルクドラグーンについて考えることは正しいように思える。
では、もう少し、細かい点を見ていこう。
エネルマオーは1600万クラスの常連である。他方、シルクドラグーンは3走前に500万を勝ち上がり、2走前に1000万をまた勝って、前走、1600万の《六甲アイランドS》に昇級してきた、これが細かい点の意味するところだ。
フツーの競馬常識では、「クラス慣れが見込まれる、とか、クラス慣れが必要」とかいわれる、昇級の壁について、もう少し積極的に考えてみようと提案したい。
《新春S》で連対したのはシルクドラグーンの方だった。
つまり、過去走で先着した相手が、休み明けだったり、3歳馬だったりする関係は「序列」を形成する要素としては弱い、という小原則を思い出そう(ここには逃げ-追い込みといった脚質の差異、道悪や不利を含む)。
さらにこれに、過去走の同路線組で、相手がそのレースで昇級戦であった結果は、先着した「当該クラスの常連馬」にとってはアドバンテージとはなりにくい、という「新思考」をつけくわえてみよう。
もっといえば勝ち上がり昇級だったシルクドラグーンの方が、クラス常連のエネルマオーより激走期待が高かった、とまでいってもいいのではないだろうか。6人気vs3人気というあたりは、昇級の壁とかクラス慣れ、といった常識に流されている点も見逃せない、つまり美味しいわけだ。こう考えれば、結果論ではなく事前にシルクドラグーンに目がいくということになる。軸馬候補として同馬を調べれば最終決断につながるケースもあるだろう。
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◎サンプルレース2
1/6中山12R《1000万下、芝1200m》
うまカンケイ
《12/2 中山芝1200m 1000万下》組
8)タケデンノキボー(K)>4)コアレスソニック(11着)
2)サウスヒューマ(Q)
15)イーサンラヴ(Q)
さて、細かい点を見ていこう。
文句なしで「着順→序列上位」のタケデンノキボーは1000万クラスの常連。
対するコアレスソニックは、500万勝ち→休養→昇級(やや重大敗)→2走目(うまカンケイ)で大敗。3走目だった。
このレースの勝ち馬は、2)サウスヒューマ(Q、3人気)、2着がコアレスソニック(10人気)。
たたき3走目にあたっていたが、蝦名で出遅れ、で差しがハマった点も見逃せない。休み明け昇級の2走は先行して失速の繰り返しだった点が帰って良かったのかも知れない。因にコアレスソニックは「セン馬激走はじめ」でもあった。セン馬の突然の激走には、逃げや追い込み、とった極端な展開、道悪、恵ハンデなどの要素が絡んでいることが多い。あとは、去勢した時期、適距離が見つかった、というあたりも。肝心なのはセン馬は何らかの理由で去勢されて、何らかの理由で能力が発揮できていないケースが多いので、潜在的な能力や遠い過去の好走例も必要か。
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◎サンプルレース3
1/6中山8R《1000万下、ダ1800m》
うまカンケイ
《12/9阪神1000万下、ダ1800m》組
15)プレシャスピクセル(5着)vs8)プレシャスピクセル(6着)
1)インプレスゴールド(Q)
マイネルラヴェルは1600万からのクラス落ち。対するプレシャスピクセルは500万を勝ち上がった後、東京ダ2100昇級で大敗、実質的に適距離での昇級戦といった前走で着差なしで走っていた。
このあたりはサンプルレース2と同じである。
連対したのはプレシャスピクセル(人気)の方。
プレシャスピクセル(3人気)は4着。
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◎サンプルレース4
1/12京都11R《寿S》
うまカンケイ
ドンカスターS》組
2)イースター(K)>11)マイネルポライト(6着)>10)ホッコーパドゥシャ(11着)
4)スマイルフォーライフ(Q)
《大原S》組
3)ロックスピリット(6着)vs5)アグネストレジャー(7着)
ドンカスターS》組では、10)ホッコーパドゥシャが1000万勝ち上がり→休養→昇級で《ドンカスターS》大敗。11)マイネルポライトは昇級2走目で6着。イースターは距離不安もありキングのアドバンテージは「弱い」とするのが(事前の予想として)サンプルレース1〜3と同様である。
展開が前残りになったこともあり、ホッコーパドゥシャが10人気で大穴をあけたレースだった。
3着のアグネストレジャーは1000万勝ち上がり2走目での「うまカンケイ」だった。(かたちの上では「勝者総取り」が起こっている)また《大原S》組のブレーブハートが鼻差の4着に差し込んできた点も見逃せない。
このような関係では、K&Qの法則のような安定した関係を想定するよりも、広く「過去走同路線組」について考える必要があるだろう。ここにはもはや、序列を想定する必要がなく、むしろ、昇級→敗退→飛躍の馬に注目すべきである。
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◎サンプルレース5
1/13中山10R《初凪賞》
うまカンケイ
《12/22中山1000万下ダ1800m》組
12) トラストブラック(K)>16)ハウンドコップ(6着)>3)スズライトアップ(7着)
2)チャイニーズフレア(Q)
例によって「細かい点」を見てみよう。
スズライトアップが該当馬である。これは文字通り、500万勝ち上がり→昇級7着→今走優勝!
紅一点のクイーンがいる、唯一の「うまカンケイ」によるレースで、たった一頭の昇級→敗退→飛躍が大穴をあけたのである。仮にこのような馬を「飛雄馬」を呼ぶことにしよう(古い…★)。
このレースがもっともよいサンプルである。
トラストブラックが負けたのは蝦名のせいではないのだ、これが(笑)。
因に9歳馬ハウンドコップも頑張っていた。これは《初富士S》の9歳馬ワイルドファイアーと同じく、前走同路線組の高齢馬、という期待にハマっていたともいえまいか(キングがコケルとき、高齢馬が穴埋めするかのように突っ込んでくる現象はすでに分かっている、《初凪賞》の場合は3強がいたので5着どまりだったが…これで高齢馬の秘密のいったんが少し見えてきた?)。
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【まとめ】
「飛雄馬」現象がなぜ顕著になってきたのか? 
これはJRAの施行規則の相次ぐ変更と密接な関係があると私は考えている。
ひとつには、1000万条件-準OPクラスの除外ラッシュである。この影響で40頭除外は当たり前。
完全なシャッフル競馬となり、馬と馬の関係が過去走で十分に蓄積、形成ができなくなったいることは容易に想像がつく。これを競輪に例えると、フツーのライン基本のレースから、ラインなし、戦略という名の協力なしの国際keirinへの転換に似ているのだ。
次に、勝ち上がり=即、昇級、という制度の施行が大きい。これまでの安定した同じクラスの馬同士の関係がここで大きく撹拌されてしまうのである。
ゆえに、これから闘っていく上で、「同路線組」とは何か、について考えていくことが重要となってくるのある。
実戦予想では、軸馬を決める作業がより難しくなることになる。K&Qの法則は軸馬方式の理想的なシステムだったのだが…。
因に、これまでの安定した同じクラスの馬同士の関係を基礎としたレースでは、1/5中山8Rの
ゼンノブルースカイ、1/6京都10R《門松S》のトーゼンブライト、1/13京都10R《羅城門S》のサワノブライブがキングのステータスでいずれも3着を死守している(3着なので狙いにくいことこの上ないが)。「K&Qの法則」の安定した世界では、はやくも3鞍、JRAの施行規則の相次ぐ変更を乗り越えて期待に応えてくれていることも忘れないでおこう。